年金の繰り上げ受給は間違いなのか?

年金

50代でFIREめざしているときちです。

年金は原則65歳から受給となりますが、60~64歳で受け取る「繰り上げ受給」と65歳以降に遅らせて受給する「繰り下げ受給」制度があり、繰り上げ受給だと減額となり、繰り下げ受給だと増額される仕組みになっています。

先日、YouTube動画で「繰り上げ受給するのはバカだ」といった動画あり、極端な論調で語っていたのを見て、なんだかなぁと思うのと同時に、改めて整理しようと思いましたので、今回は繰り上げ受給、繰り下げ受給などについて個人的な見解をまとめてみます。

あと、年金だけでは不安だけれども、50代からの資産形成は無理だよなぁ、と思う方は、過去記事もぜひご参考ください。

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年金「繰り上げ受給」「繰り下げ受給」制度の確認

年金制度そのものの概要を確認したい方は、過去記事をご参照ください。

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今回は、繰り上げ受給、繰り下げ受給のみ焦点をあてます。

「繰り上げ受給」は、60歳から年金を「繰り上げて」受給できる制度で、年金受給開始時期によって減額率が定められています。

一方、「繰り下げ受給」は、65歳以降に「繰り下げて」受給できる制度で、年金受給開始時期によって増額率が定められています。

減額率、増額率の一覧をAIにまとめてもらいましたので、ご参照ください。

受給開始年齢年金額の変化
60歳▲24.0%
61歳▲19.2%
62歳▲14.4%
63歳▲9.6%
64歳▲4.8%
65歳基準額
66歳+8.4%
67歳+16.8%
68歳+25.2%
69歳+33.6%
70歳+42.0%
71歳+50.4%
72歳+58.8%
73歳+67.2%
74歳+75.6%
75歳+84.0%

繰り上げ受給のメリット

最大のメリットは、はやく年金が受給できることです。

60歳以降、何らかの理由により経済的な不安がある人は、繰り上げ受給することで、一定の収入を確保することができます。

65歳前に退職して、固定収入がなく資産も不安な方は、繰り上げ受給で生活基盤を確保するのもいいかもしれません。

また、後ほど損益分岐点をまとめますが、率直にいって「長生きしない」と断定できる方は、繰り上げ受給しても損することはないかもしれません。

まぁ年金で損得を考えるのは間違いかもしれませんが・・・。

よく言われるのは、平均寿命より短い人は繰り上げ受給の方が受給額が多いということ。

まぁ、何歳まで生きるかなんて誰にもわかりませんが、重い病気を患い、残念ながら余命宣告されている方は、繰り上げ受給の選択肢もあるかもしれません。


繰上げ受給のデメリット

最大のデメリットは減額された年金が一生続くことです。

例えば60歳で繰上げると24%減額され、その割合は生涯変わりません。

本来の年金額60歳繰上げ後
年200万円年152万円
差額年48万円

長生きするほど不利になります。

また、年金制度には一定の障害を持った際の障害年金制度がありますが、繰り上げ受給することで一部の制度利用に影響するケースもあるようです。

そして、年金額が貼りますので、インフレなど物価上昇局面では生活への影響が大きくなります。

繰り下げ受給のメリット

言うまでもありませんが、繰下げ受給最大のメリットは年金額が触れることです。

例えば、75歳まで繰下げると84%増額されます。

本来の年金額75歳繰下げ後
年200万円年368万円

老後の安心感は大きく向上します。

年金だけで生活するのは中々大変ですので、働けるまで働いて、その間は年金を受け取らず、完全退職後に年金を繰り下げ受給すると、ある程度、安定した収入になる可能性はあります。

また、当然、長生きすればするほど有利にもなります。

インフレ対応もバッチリですので、長期的な視点にたてば物価上昇への体制も高まります。


繰り下げ受給のデメリット

やはり年金を受給するまで生活資金をどうまかなうのかがポイントとなります。

年金を受け取らない期間を、自分の貯蓄や就労収入で乗り切る必要があります。

そして、早く亡くなると損することになります。

下手すると、年金を一円も受給できず終わる・・・なんてことも考えられます。

まぁ、先ほども書きましたが、何歳まで生きるかは誰にもわかりませんので、この点はなんとも言えないところです。

損益分岐点は何歳?

損益分岐点をAIにまとめてもらったところ、一般的には、

  • 60歳繰上げ受給 → 80歳前後
  • 70歳繰下げ受給 → 81歳前後
  • 75歳繰下げ受給 → 86歳~87歳前後

が損益分岐点といわれています、とのことでした。

繰り上げと繰り下げの簡単なイメージもAIにまとめてもらいました。

選択有利になりやすい人
繰り上げ長生きに自信がない、貯蓄が少ない
65歳受給標準的な選択
繰り下げ健康状態が良好、資産に余裕がある

どんな人が繰上げ向き?

  • 退職後の生活資金が不足している
  • 健康に不安がある
  • 早く年金を受け取りたい
  • 貯蓄をあまり取り崩したくない

どんな人が繰下げ向き?

  • 65歳以降も働く予定
  • 十分な貯蓄がある
  • 長寿家系である
  • 老後後半の生活費を厚くしたい
ケースおすすめ
貯蓄が少ない繰上げまたは65歳受給
65歳以降も働く繰下げ
配偶者がいて遺族年金も考慮個別検討
資産1,000万円以上ある繰下げ検討
健康に不安がある繰上げ検討
長寿家系繰下げ検討

動画で言っていた点(繰り上げ受給はバカだ)

視聴した動画では、前述した繰り上げ受給のデメリットで触れたとおりで、「繰り上げ受給すると一生減額された年金をもらうことになり、生活ができなくなる」「働ける時に働くことをやめ、働くことのリスク管理ができていない」「年をとると労働できる耐性と需要がどんどん下がる中、減額分の不足額を確保する方法がない」などと言ったところ。

確かに正論ではありますが、「働けるうちに働かないのはバカだ」という主張に違和感を感じます。

誰もが「働きたい」と考えている訳ではありませんし、健康なうちに年金を活用して「楽しい人生」を送ることも重要な選択だと思います。

「健康なうちにあれこれしたいなどバカだ(要約)」とも言っていたので、まぁ暴論だなぁと。

それぞれ環境や人生観は異なりますので、一概に決めつける手法はいらつきましたが、まぁ動画配信者って極論いわないと駄目なんだろうなぁと勝手に解釈して動画を閉じました。

もちろん、チャンネル登録なんぞしません。

私は、豊かで楽しい人生を健康なうちに送りたいと切に願っていますので、FIREをめざしています。

繰り上げ受給を選択するか否かはさておいて、労働ありきの考え方は、私の考え方とは相容れないなあぁと率直に思いました。

まとめ

年金を考えた際に、繰り上げ受給がいいのか、繰り下げ受給がいいのか、答えはないと思います。

収入や生活費、家族形態、健康状態など、総合的な観点で年金が必要なのかが問われるので、人それぞれということになりますよね。

年金を考える時に、収入や資産を考える事も大切ですが、同時に老後の生活費がいくら必要なのかを計算し、その金額によって年金の受給時期を決めるのが最適ではないでしょうか。

損得勘定で考えるのは、そもそも何歳まで生きられるのかは神のみぞ知るといったところですので、不毛な議論です。

損得勘定ではなく、いくら必要なのか、から年金額を導き出して、受給時期を決めるといいですね。

それにあわせて、何歳まで働かなければならないのか、またはいくら資産形成が必要なのか、を考えれば自ずと答えが導き出せます。

一度、老後にいくら必要か計算してみてはいかがでしょうか。

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