今回は「殺した夫が帰ってきました」の感想です。
古本屋で見かけて、タイトルをみて即購入。
いやぁ、なんと魅力的なタイトルなんでしょうw
タイトルで購入したのは久しぶりです。
結論から言えば、「さくっと読めて、さらに想像の斜め上いく作品」でおすすめです。
1日で読了しましたので、時間がない方にもおすすめです。
ネタバレは後半の方に記載しますので、まだ読んでいない方は「ネタバレ注意」でページを閉じてください。
では、いってみましょー
殺した夫が帰ってきました 概要
著者は、桜井美奈先生。
本作品を手に取るまで、存じ上げませんでした・・・・すみません。
そんな桜井先生ですが、ウィッキペディアによると、2012年、投稿作「きじかくしの庭」が第19回電撃小説大賞(第1席)を受賞し、翌年同作を刊行し作家デビューしたようです。
本作は2021年4月の作品です。
概要は公式ページから拝借。
恐ろしくも切ない、愛と罪の物語。
都内のアパレルメーカーに勤務する鈴倉茉菜は、取引先に勤める穂高にしつこく言い寄られ悩んでいた。
ある日、茉菜が帰宅しようとすると家の前で穂高に待ち伏せをされていた。静止する声も聞かず、家の中に入ってこようとする穂高。
その時、二人の前にある男が現れる。男は茉菜の夫を名乗り、穂高を追い返す。男は茉菜の夫・和希に間違いなかった。
しかし、茉菜が安堵することはなかった。なぜなら、和希はかつて茉菜が崖から突き落とし、
殺したはずだったからだ……。謎めいた正体、二人の過去とは――。
19万部突破、大ヒットサスペンスミステリー。
ドラマ化もされたようですし、公式見ると漫画化もされたのでしょうか。

タッチが少女漫画風ですね。
漫画は読んでいません。
帯には「結末が気になり、たった1日で読了!」とありましたが、私もその言葉通り、結末が気になって1日で読了しました。
それでは、本の概要へ。
感想(ネタバレなし)
ミステリー小説ですし、様々な仕掛けがある作品ですので、ネタバレに注意しながら感想を。
冒頭の2ページは、衝撃的な展開からはじまります。
2ページ目の最後の一行「私は夫を殺した」。
茉菜は平穏な日常を過ごしていましたが、そんなある日、タイトルにもあるとおり、殺したはずの夫が、ひょっこりと主人公の元へ戻ってきます。
殺したはずの人が戻ってきたら、吃驚しますし、焦りますし、どうにもならない「不安」と「恐怖」に支配されますよね。
茉菜も同様に困惑しますが、幸いなことに、その殺したはずの夫は、記憶を一部無くしているとのことでしたので、殺した年の記憶はほぼすっぽりと抜けているとのこと。
戸籍上、夫婦ですから同居生活が再開しますが、いつ記憶が戻るのかなど、不安を抱きながら生活をおくる茉菜。そんな生活耐えられないですよね。
前半は、茉菜の生活と会話劇中心ですので、私はかなり斜め読みしながら先へとすすめました。
その辺りに伏線はほぼありませんので、さくっと読んで大丈夫です。
ただ、過去のシーンや「?」と思う章があるので、その辺りはしっかりと読むことを推奨。
物語を単純に楽しむ人は、そのまま読み進めていいのですが、推理しながら読む人は、このあたりで一度情報の整理が必要です。
ま、それでも私は推理が外れましたけれども(汗
中盤から急展開し、後半にはいるころから一部の真実が明らかになり、「こんなはやくネタバレしてどうなるんだろ」と思わせられましたが・・・・あとはお楽しみに。
予想の斜め上いく展開で、帯にも「起承転結ならぬ起承転転」と表現されているように、後半は怒濤の展開となりますので、夜更かし確定の作品です。
ただ、茉菜や親友の育った家庭環境が悪く、悲惨な描写もあるので、そうした描写が苦手な人は気をつけてください。
気軽に読め、そして良い意味で裏切られる作品ですので、おすすめの一冊です。
感想(ネタバレ)
は、ネタバレの感想です。ちょっと行をあけます。
ネタバレを避けたい方は、この先は読まないようにしてください。
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正直言って、前半のストーリーは、生活の描写ばかりで伏線らしい箇所もなく、ほぼ読み飛ばしてしまいました。
このまま話が進むのか不安になる中、中盤から怒濤の展開。
驚きました。
茉菜の夫の白骨死体が発見され、所轄警察署へ訪れた後、夫だと主張する現在の「和希」はいったい誰なのか・・・それを問い詰めると、あっさりと「和希」ではないことを認める。
これが後半にはいるあたりでしたので、「もうネタバレ?この後どうするの?」などと、余計な心配をしましたが、心配を凌駕する展開へ。
実は茉菜が「茉菜」ではなく、死んだ親友に成り代わって生活していたこと。
そして「和希」は、その親友の義兄だったこと。
戸籍がない人が、死んだ人間になりかわって生活することは、他の作品でもある展開ですので、それだけをとって衝撃はさほど受けませんでしたが、「茉菜」と「マナ」といった言葉遊びによる、過去の描写をミスリードさせる表現は素晴らしいアイディアだったのではないでしょうか。
茉菜の人生があまりにも不憫で、やるせない思いで最後を迎えましたが、和希が「幸せな時間と思ったのは、愛だけじゃないから」の台詞に、少しは救われた気もしました。
でも、あれだけ義妹を愛していたのに、今度は愛へ乗り換えるのか・・・と思うと、感情は複雑です。
読むのが辛かったのは、やはり茉菜とマナの幼少期から現在までの過去描写。
子どもへの虐待や、生活のために性風俗へ流れたこと、そしてそれを利用する社会構造が、とにかく「辛い」というより、憤りを感じてしまいました。
娘がいる身としては、こうした描写は耐えられません。
大どんでん返しだけでいえば、見事に予想を裏切られた展開でしたので最高の作品ですが、上記の描写が辛く、2度読むことはないでしょう。
さくっと読めて読了がすっきりする本を次は読みたいものです。

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