【書評】どちらかが彼女を殺した ネタバレ含む

書評回です。

今回は、新刊ではありませんが、以前から読んでみたかったタイトルで、読んでみたところ、個人的に思うところはあれど、面白かったので、ご紹介します。

ネタバレは後半の方に記載しますので、まだ読んでいない方は「ネタバレ注意」でページを閉じてください。

では、いってみましょう。

どちらかが彼女を殺した 概要

作者は、ミステリ小説における現代の巨匠(なのかな)、「東野圭吾」先生で、「どちらかが彼女を殺した」です。

東野先生は、調べたところ100作品以上発表しているようですね。

スゴい・・・。

東野先生の本は、「容疑者Xの献身」含む有名どころを何作品か読みましたが、有名どころは楽しめたものの、その他の作品をあまり楽しめた記憶がなく、しばらく遠ざかっていましたが、昨年、別のタイトルを久しぶりに読んだところ、「東野先生最高!」となり、その後、何作品か拝読しております。

Wikipediaによると、1996年に講談社ノベルスが刊行され、1999年に講談社文庫版が刊行されたようです。もう30年も前の作品ですね。

内容は、裏表紙に記載された内容を引用します。

最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の”現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄。その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。

感想(ネタバレなし)

裏表紙の内容を読む限り、かなり興味引かれる話じゃないですか?

そもそも、容疑者は二人に絞り込まれている設定で、且つ、その二人は親友と元恋人。

殺害された妹の犯人を特定するために奔走する兄、康正。

康正が、容疑者を特定するまで現場検証から推理し、警察の科学捜査を利用出来ず独自の思考で推理を進めざるを得ない状況。

独自に推理をすすめる康正を邪魔するのが加賀刑事。

Wikipediaによると、この加賀刑事はシリーズ物で、本作が3作品目らしいですが、私は過去作を読んだことがなさそうなので、加賀刑事は初見でした(汗

中盤で容疑者が二人に特定され、どちらが犯人なのか推理をすすめる展開。

こうしたストーリー展開は、なかなか斬新ですよね。

東野先生の読みやすい文書、先が気になる構成力で、あっという間に完読しました。

ラストシーンも、二転三転して、ハラハラしながら最後まで駆け抜けます。

本題からそれますが、本作は30年前に刊行された書籍ですので、時代背景が古く、登場人物は携帯電話を所持していません。

最初、そこまで古い刊行物だと思っていなかったので、違和感があったのですが、30年前の作品だったと知り吃驚しました。

古さを感じさせない、読み応えのある作品です。


感想(ネタバレ)

では、ネタバレの感想です。ちょっと行をあけます。

では、ネタバレ感想です。

正直言うと、最初の展開は非常に苦手な類いでした。

康正が妹の園子の遺体を発見した際、違和感を覚え、自殺ではなく他殺だと推察するまではよかったのですが、その後、不審な証拠を全て片付け、警察には頼らず自分自身で捜査することを決断する展開は、「まじでやめとけー、警察に頼れー」としか思えず、読むのが辛い状況でした。

辛いというか、苦痛に近かったですね。

ただ、推理をすすめていき、容疑者を親友と元恋人に絞り込むまでの展開は胸熱で、推理展開だけでなく、親友と元恋人へ接触する状況と、お互いが嘘をついて推理を攪乱する展開は、読み応えがありました。

加賀刑事も、最初は「邪魔やなー」と思っていましたが、読み進めるうちに、康正へ容疑をかけていたのではなく、復讐心で単独捜査している点に気がつき、それをとめようとする人情味あふれる行動と、他殺だと考える康正とはまた異なる推察をみるうちに、加賀刑事に好感がもてるようになり、過去作も読みたくなってきましたw

康正と加賀刑事が別ルートで推理をすすめ、事故現場の決定的証拠を所持する康正、殺人を取り扱う部署で働く経験値と組織力をもつ加賀刑事で、それぞれのアプローチと、お互いが水面下で競い合うように推理をすすめ、双方が対話するシーンではお互いどのカードを切るのが有効かを考える展開は、斬新で単純に面白かったです。

最後のシーンでも、親友と元恋人を同時に呼び出し、それぞれを追いつけていく中、どちらが犯人なのか二転三転する会話劇は、ハラハラがとまらず一気に読み進めました。

こうしたストーリー展開って、なかなか類を見ませんよね。

ただ、最後の最後で犯人を特定せずに終わったのは、個人的には残念でした。

犯人をはっきりさせたかったので、ネットで調べてみたところ、元恋人が犯人というのが濃厚みたいですね。

その理由は右利きであること。

うーーーーん、確かに利き腕に拘るストーリー展開ではありましたが、それが決定打となるのは、少し残念な気持ちが残りました。

個人的に気に入った点は、殺害方法の全容がわかる中、実は園子も二人に対して脅迫していた点。

確かに、親友と元恋人が結ばれるだけで、その二人が園子を殺害するにいたる理由にはならず、モヤモヤ感がありましたので、最終的にその理由を説明づけたのはやられました。

その根拠として、園子がパーカーを着て外出した件について、しっかりと伏線回収していたところは脱帽です。

総合的にみると、非常に楽しく読ませていただきました。

また東野先生の作品を読みたいと思いましたし、何より加賀刑事の登場作品を読んでみたいと思います。

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