FIREとは
近年、本屋で「FIRE」に関する書籍をよく見かけ、ニュースやYouTubeでも取り上げられる言葉です。最近は、少しトーンダウンしはじめてきたかな?
では、そもそもFIREとは何でしょうか?
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字でつくられた略称で、日本語では経済的自立と早期リタイアと呼ばれます。読み方は「ファイア」で、火の英単語「ファイア」に掛けた単語を作ったようです。
ポイントは、「経済的に自立した上での早期リタイア」です。早期リタイアであれば、ただ仕事をやめるだけになりますが、当然、それだけでは生活ができません。現在、少子高齢化や人口減少などの影響もあり、政府は定年制を60歳から65歳へ、そして70歳へと移行しようとしており、定年制にあわせて年金支給開始年齢も変動しています。現在の原則は、65歳定年、65歳年金支給開始ですので、年金以外の経済的手段を見いだせないと、生活破綻、生活保護へ・・・となってしまいます。
経済的自立の主たる方法は、資産運用のようです。元々、欧米で流行っている(いた?)ようですが、投資への考え方や国民性が日本とは異なるので、定着もしたのでしょうか。日本でも、賛否はさておき「貯蓄から投資へ」のかけ声のもと、NISAの導入など投資への間口が広がってきています。これらの環境変化もあって、日本でもFIREが流行ったのかもしれません。
FIREの種類
「そもそも経済的に困っているから働いているのであって、早期リタイアなんて何いってるんだ」となってしまいがちです。経済的自立については後ほどふれますが、FIREでは完全経済的自立だけではなく、いくつか種類があります。なので、より身近になって、流行ったのでしょうね。
ただ流行だすと、より種類が増え複雑化するのが世の常。先ほど、FIREは4つほど種類があると書きましたが、現在では更に種類が増えているようです。全てを網羅するのは無理なので、基本的な考え方である4つについてご紹介します。
- ファットFIRE(Fat FIRE)
- リーンFIRE(Lean FIRE)
- サイドFIRE(Side FIRE)
- バリスタFIRE(Barista FIRE)
1.ファットFIRE
一番理想的なFIREで、FIREの言葉どおり完全に経済的自立ができた早期リタイアです。資産運用で十分な資金を確保でき、仕事していた時と同じ生活水準を維持できるスタイルです。即ち、「リタイア生活するんだから節約しなきゃ」といった節約生活ではなく、むしろ仕事していた頃より豊かな生活水準が確保できているスタイルかもしれません。
FIREは自由な時間を手に入れる手段なので、一番理想型といえますが、非常にハードルも高く、ときちは既にファットFIREは諦めています(涙)。
2.リーンFIRE
少し現実的なスタイルで、節約・倹約しながら早期リタイアを確立するスタイルです。ファットFIREよりも実現可能性がぐっと広がります。生活出来る資産運用の確率は必要とはなりますが、節約・倹約が前提なので、目標額が下がります。
固定費を見直し、生活拠点も生活維持費が低いエリアへ移住、ミニマリストのように必要なものを整理する、贅沢はしない、など支出を大幅に見直し、生活に必要な金額を設定。その設定額にあわせた資産運用が実現できた段階で早期リタイアができるようになります。
お金がかからない趣味を持っている人、そもそもミニマリストの人、将来は地方への移住を考えていた人(または既に地方居住者)、物欲などが非常に低い人、が実現可能ではないでしょうか。
3.サイドFIRE
さらに現実的なFIREスタイルです。FIREは「経済的自立」が必要ですが、資産運用では足りない分をサイドビジネスで補う方法です。
「サイドビジネス???」となる方も多いのではないでしょうか。いわゆる事業をたちあげて、個人事業主、またはフリーランスとして収入を得ることですが、本格的なビジネス展開ではなく、あくまで生活費を補足する分稼ぐイメージです(別にがっつりと稼いでもいいのですが、それだとFIREではなく事業家ですね)。
サイドビジネスの手法は様々あるかと思いますが、早期リタイアしてからサイドビジネスを始めても想定通り稼げる補償はありませんので、現役時代から副業として準備し、ある程度目途を見いだしておくのが一般的なようです。
4.バリスタFIRE
サイドFIREと同様に資産運用では足りない分を他の収入で補いますが、その手段が労働となるのがバリスタFIREです。アルバイトやパート、短期バイトなど、フルタイムで働かず、必要に応じた時間、または自分自身が許容できる時間のみ働き、生活費にあてます。自由な時間を失っては、FIREの意味がなくなりますからね。
資産運用とは
資産運用とはいっても、資産運用って何だろう?と思った方も多いのではないでしょうか。資産運用が身近ではないからこそ、FIREも身近に感じられないのが一般的だと思います。私自身も、資産運用とは縁が遠い一人でした。むしろ、資産運用と聞くと「金持ちの道楽」といった印象、イメージがあり、自分とは関係ないと考えていました。
しかし、資産運用はとても身近な存在です。
概ねほとんどの人が預金口座を持っていると思いますが、これも資産運用の一つです。でも、この低金利時代。預金金利だけで経済的自立を実現するには、何十億といったとてつもない資産が必要となります。
資産運用で一般的なのが、保険、債権、株式、投資信託、不動産投資、などがあげられます。種類や商品によって利回りは異なりますが、預金金利よりは利回りが見込めますので、必要資産額がさがり実現性が身近になります。
しかし気をつけなければならないのが、リスクです。預金であれば、預金保護制度によって条件・上限はあるものの一定補償されていますが、その分、金利は低くリターンが見込めません。その点、株式や不動産投資であればリターンはより見込めますが、投資した金額の補償はありませんので、リスクがぐっと高くなります。リターンがより高い商品ほどリスクも高くなり、「ハイリスク ハイリターン」とよく言われますね。
資産運用は、あくまで自己責任のもと運用することになります。何の知識もないまま株式や不動産投資などに手を出すと、大変なことになってしまう可能性があります。「退職金を全部株式につぎこんだら、全て失った」なんて話もちまたではあふれています。資産運用する際は、最低限の知識を身につけ、常に情報収集に努めることが必要ではないでしょうか。
なお、「金融のプロ」と自称する人、または関連する資格をもつ「有資格者」の意見を鵜呑みにするのも危険です。繰り返しますが、資産運用は自己責任です。誰かのアドバイスで実施し失敗しても、責任は誰もとってくれません。また、YouTubeでお手軽に情報収集できますが(ときちもそうしてます)、「○○さんが言ってから」と盲信するのは非常に危険で、これでは宗教とかわりません。あくまで情報収集とわりきることが大切です。
資産運用のはじめかた
ときちはNISAの活用からはじめました。NISAは、税制面で優遇され、かつ少額からはじめられます。資産運用で株式や投資信託を考えているようでしたら、まずはNISAの活用から考えてはいかがでしょうか。
しかし、先ほども書きましたとおり、NISAとは言え必要最低限の知識は必要です。金融機関の担当者に聞くのもいいですが、知識さえあればネットでNISAもはじめられる時代です。また、金融機関も商売です。金融機関に都合のよい商品をすすめられることも多いようです。自己防衛として、やはり最低限の知識は身につけておいた方が無難ですね。
とはいえ、ときちはNISA、iDeCoは取引のある金融機関ではじめ、いまも変更していません。当時は知識不足ということもありましたが、その金融機関とは長く付き合うつもりなので、別に後悔もしていませんし、騙されたとも思っていません(極端な表現ですみません)。
現在は、株式、投資信託、債権へも投資していますが、これらは楽天証券で口座を開設し、自分自身でおこなっています。まだ勉強不足の点も多々ありますが、楽しみながら、そして焦らずにやってます。
資産運用には興味があるが、まだ何もやっていない。そんな方は、まずNISA口座の開設にむけ、準備をすすめてみてはいかがでしょうか。
ときち